Radford, John, “Sterilization versus Segregation: Control of the ‘Feebleminded’, 1900-1938”, Social Science and medicine, 33(1991), 449-458.
20世紀前半の英米における精神障害者の処置を例にとって、断種の問題を施設への収容との関連で捉えてモデルを作った論文である。こういった社会科学系・政策系の論者による大胆な整理がないと、最近の歴史学者は、細かい問題の中に埋没する危険性が高くなっている。
20世紀前半の英米における精神障害者の処置を例にとって、断種の問題を施設への収容との関連で捉えてモデルを作った論文である。こういった社会科学系・政策系の論者による大胆な整理がないと、最近の歴史学者は、細かい問題の中に埋没する危険性が高くなっている。
図は優生学の問題が分節化されていって断種と収容が政策として区別されていく過程を概念的に示している。実際にイギリスとアメリカで、それぞれこの構図にのっとって、優生学から出発して2種類の政策が展開したありさまが描かれている。最も重要なことは、最終的には、「強制断種」と「特別隔離収容施設への収容」が類似していることであり、「自発的断種」と「結婚についての法」も類視していることである。