FB更新。 谷崎潤一郎の初期の短編『悪魔』『続悪魔』です。大仰なタイトルですが、話題はファム・ファタールと神経衰弱で、神経衰弱が東京の当時の現代生活の中で強烈に描かれています。その病者には谷崎自身の経験も反映されているとのこと。 強迫観念、学生生活、勉強する気が出ないこと、失敗・病気・死・発狂の恐怖、性と欲望と不健康な興奮など、精神医学の世界に見られる多くの神経衰弱の要素が詰め込まれて描かれています。 面白いことに、地震がいつ来るのか不安で、専門家を訪ねて聞きに行きたく思うというのも一つの症状のように描かれています。何かのヒントにはなるかもしれません。
↧