いま発売中の Vogue (UK) は、モデルをモンゴルに送り込んだ撮影の特集を組んでおり、これがものすごく面白い。もともと、帝国の中枢のハイ・ファッションは、エキゾティックな趣味を取り込むのに熱心で、Vogue はこの方向の特集を何度か組んでいるけれども、このモンゴル特集は秀逸な出来映えである。もちろん伝統衣装、伝統的な仏教寺院、伝統的な庶民の家であるゲルなどもファッション写真の中に織り込まれているが、自然や動物を積極的に取り入れたのがいい。ある種のトナカイに馬のようにまたがって乗るモンゴルの少女だとか、湿地帯に棲むヤクのような牛にまたがって長毛のコートを着るモデルだとか、あるいは草原や森林の草花や木の枝の使い方など、21世紀のネオ・インペリアリズムの美学があふれていると思う。キルシ・ピルホネンというフィンランド人のモデルも雰囲気に合っている。
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