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Channel: 身体・病気・医療の社会史の研究者による研究日誌
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東大内科患者の同胞の精神病調査

玻名城政順「本邦人の精神疾患遺伝負荷に関する調査―342名の東京市並びに那覇市内科病院入院患者の同胞及び両親」『精神神経学雑誌』47(1943), 282-307. この論文にも記されているが、玻名城政順は、「立津」と改姓した。のちに、熊本大学の神経学者として水俣病を研究した「立津政順」は、この人物である。...

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秋田の精神病調査・1941年

太田清之「穿試法に依る秋田県の精神病調査」『精神神経学雑誌』47(1942), 319-328. S16年5月から8月にいたる三か月間、秋田市の一般病院、私立小泉病院に入院中の患者のうち中年者を発端者としてえらび、その200組の同胞1156人につき、精神疾患に関する詳細な調査をした。このサンプルは、農漁業に携わっているものが多く、また下層の社会階層が多い。農漁業は36%、労働者と雇傭人が20...

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内村祐之・精神病調査

内村祐之「日本人の精神疾患負因負荷に関する一規準」『精神神経学雑誌』47(1943), 271-273. 日本の精神病調査はドイツよりも10年ほど遅く始まり、始まった段階においても精神病院の患者数が絶対的に少ないという特徴を持っていた。内村の調査は確かにナチスの優生学の影響を受けていた。 しかし、ここにナチス流の強力な国家が主導する優生学の特徴を感じることは難しい。...

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十字架像

十字架像を使って何かを言う必要があって、同僚に頂いた Phaidon から出ている Crucifixion...

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瀬戸内海の小島の精神病調査

萩尾了・長尾茂「近親婚地域の精神的遺伝負荷の研究 第一回兵庫県家島群島の調査(1)」『精神神経学雑誌』47(1943), 529-536. 著者は厚生科学研究所。これは、精神的遺伝負荷の地域的差異に関する研究の第一着手として、昭和17年7月に施行した調査成果の一部である。兵庫県衛生課と家島町役場の配慮を得た。猛暑の中を佐瀬仁、東大医学部学生の馬場、西川、日野の協力を得た。...

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戦前東京の精神病調査

岡田敬蔵、ハ名城政順・浅井利勇・詫摩武元・森村茂樹・坪井文雄「大都市に於ける精神疾患頻度に関する調査」『精神神経学雑誌』46(1942), 204-218....

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小諸の精神病調査と奇怪な建築

秋元波留夫・島崎敏樹・岡田敬蔵・は名城政順「地方小都市に於ける民勢学的及び精神医学的調査」『精神神経学雑誌』47(1943), 351-374....

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昭和戦前期の浮浪者と精神障害

村松常雄「東京市内浮浪者及び乞食の精神医学的調査」『精神神経学雑誌』46(1942), 69-92....

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「民主的な」疾患

Riley, James C., Rising Life Expectancy: A Global History (Cambridge: Cambridge University Press, 2001)...

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杏仁水

風邪で病院にいっていただいたお薬で、咳止めのシロップ状のものがあった。OTCでも処方薬でも咳止めといえばトローチだと思っていたので、液体状の咳止めというのがレトロな感じで、医学史家としてはなんとなく嬉しかった。頂いた明細書を見ると、その液体は、主に「杏仁水」とのこと。私が持っている昭和21年刊の『最新医薬品類聚』を調べたら、ちょっと面白い歴史があった。...

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医学と文学

Charon, Rita, Narrative Medicine: Honoring the Stories of Illness (Oxford: Oxford University Press, 2006). Hawkins, Anne Hunsaker, “The Idea of Character”, in Rita Charon and Martha Montello eds.,...

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ベリーニ『サン・ロレンツォ橋の聖十字架の奇跡』

今日は、ちょっと妙なことを書かせてもらいます。 ジェンティーレ・ベリーニによる『サン・ロレンツォ橋の聖十字架の奇跡』(1500)という有名な絵画がある。ヴェニスを描いた絵画で、祭礼の途中、運河に取り落とされた聖十字架を、聖ヨハネ同信会の会長が運河に飛び込んで拾い上げた場面が描かれている。...

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14世紀中国にペストは来たか

Sussman, George, “Was the Black Death in India and China?”, Bulletin of the History of Medicine, 85(2011), 319-355....

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「くる病」の表象

必要があって、「くる病」が大衆文学の中で使われた例を一つチェックする。文献は、横溝正史『仮面舞踏会』。江戸川乱歩の作品が戦前の医学史にとって重要なインスピレーションになるのと同様に、名探偵の金田一耕介が活躍する一連のシリーズは、戦後の日本における、身体と精神の病理に対する偏見と病的な好奇心を示してくれるとてもいい素材だと思う。...

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モンゴルとVogue

いま発売中の Vogue (UK) は、モデルをモンゴルに送り込んだ撮影の特集を組んでおり、これがものすごく面白い。もともと、帝国の中枢のハイ・ファッションは、エキゾティックな趣味を取り込むのに熱心で、Vogue...

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医療人類学の最前線―ワークショップのお知らせ

慶應義塾大学CARLS 哲学・文化 人類学グループ 医学史研究会 合同シンポジウム 医療人類学の最前線V 統合失調症、人種、公民権運動:精神病をめぐる文化の政治学 ~Jonathan Metzl先生をお迎えして~ 日時:2012年1月26日(木)12:30~14:00 場所:慶應義塾大学三田キャン パス 大学院棟 346 教室 l 東京都港区三田2-15-45 l...

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三宅鉱一と心因論の社会史へ

三宅鉱一(1876-1954)は、医学の名門に生まれ、父、三宅秀は東京帝国大学の教授であった。呉秀三の後を継いで、1925年に精神病学講座の教授となり、1936年に退官した。25冊以上の書物を出版し、その中でも『精神病学提要』は1932年から39年までに五版を数え、『改訂精神病学提要』は1943年から62年まで九版を数えた、20世紀中葉の日本の精神医学の標準的な書物であった。...

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山本太郎『感染症と文明―共生への道』

山本太郎『感染症と文明―共生への道』(東京:岩波新書、2011)...

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ラヴェル

私のような素人の音楽愛好家にとって一番不思議な作曲家はラヴェルだと思う。『夜のガスパールのような』前衛的な作品を作曲すると同時に、『ボレロ』のような大衆受けする作品も見事にそれっぽく仕上げている。この二つの作品が同じ作曲家によるものだということは、私にはちょっと思いつかない。彼の音楽を評して、 Beauty that conceals disturbing depth. という表現があった。...

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兵頭静恵「がん闘病記に見る,患者が勇気づけられた他者の言動」

兵頭静恵「がん闘病記に見る,患者が勇気づけられた他者の言動」 先日の「痛みと闘病記」で聞いた、神戸市看護大学で助教をされている兵頭静恵さんの報告が素晴らしかった。81冊のがん患者による闘病記の中から、患者が勇気づけられた他者の言動の部分を抜き出して、それが誰によるものか、どのような内容なのか、ということを分析した論文。愛媛大学で新人賞のようなものを貰った優れた研究であるとのこと。...

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