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Channel: 身体・病気・医療の社会史の研究者による研究日誌
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1780-82年のアメリカの天然痘流行

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Hodge, Adam R., “’In Want of Nourishment for to Keep Them Alive”: Climate Fluctuations, Bison Scarcity, and the Smallpox Epidemic of 1780-82 on the Northern Great Plains”, Environmental History, 17(2012), 365-403.
1780-82年に天然痘の大流行が北米のグレートプレーンズの先住民を襲い、そのほぼ半数が死亡したとされる。この流行病は、半定住の生活を営んでいた部族に特別大きな被害を与え、彼らの人口は激減して1/3程度になった。半定住型の部族は大きな村を作りそこで高い人口密度を持って暮らしていたので、感染症の大流行による死亡数が高くなるのは理解できる。しかし、この天然痘の大流行は、バイソンを狩猟して暮らしていた移動型の部族であるBlackfeet, Assiniboine, Lakota Sioux などの部族は、にも大きな被害を出した。その理由は、1780年の流行の数年前から、気候の小変動が続き、その結果バイソンの数が減少したので、バイソンに依存していた部族は深刻な食糧不足に陥っていた。これは、彼らの栄養状態を悪化させて疾病が個人の身体に与える負荷を大きくした。

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