Scull, Andrew, Madness: A Very Short Introduction (Oxford: Oxford University Press, 2011)
オクスフォードの大学出版局は、スカルによるこの書物の外に、Madness という同じタイトルを持つ、本の性格としてとてもよく似たタイプの本を出している。岩波から翻訳も出ているロイ・ポーターのMadness: A Brief Historyである。スカルの本もポーターの本も、どちらも小さなサイズでさらっと読める、日本でいう新書のような感じの本である。いずれも書いているのは、1980年代から狂気の歴史を推進してきた大物学者による鳥瞰である。二つを読み比べると、基本的に精神科医の専門職の権力を描いてきたスカルと、より広く患者と文化の役割を強調してきたポーターの違いはあるが、それぞれの立場による熟達の芸風がある。
オクスフォードの大学出版局は、スカルによるこの書物の外に、Madness という同じタイトルを持つ、本の性格としてとてもよく似たタイプの本を出している。岩波から翻訳も出ているロイ・ポーターのMadness: A Brief Historyである。スカルの本もポーターの本も、どちらも小さなサイズでさらっと読める、日本でいう新書のような感じの本である。いずれも書いているのは、1980年代から狂気の歴史を推進してきた大物学者による鳥瞰である。二つを読み比べると、基本的に精神科医の専門職の権力を描いてきたスカルと、より広く患者と文化の役割を強調してきたポーターの違いはあるが、それぞれの立場による熟達の芸風がある。