ガダルカナルのアメリカ軍の神経症
Lidz, Theodore, “Psychiatric Casualties from Guadalcanal: A Study of Reactions to Extreme Stress”, Psychiatry, vol.9 (1946),...
View Article第二次世界大戦期アメリカの南太平洋後方病院における神経症患者
Fisher, Edison D., “Psychoneurosis in the Armed Forces”, Bulletin of the U.S. Army Medical Department, vol.7, no.11 (1947), 939-947. アメリカ軍の南太平洋の後送病院 (evacuation hospital)...
View Article米軍プエルト・リコ兵士の精神障碍
Kepecs, Joseph C., “Psychiatric Disorders in Puerto Rican Troops”, War Medicine, 8(1945),...
View Articleマラリア蚊はスカーレット・オハラを刺したか?
Mann, Charles C., 1493: Uncovering the New World Columbus Created (New York: Alfred Knopf,...
View Article第二次大戦時の米軍将校の精神疾患
Evans, Harrison S., and Harold Ziprick, “Minor Psychiatric Reactions in Officers”, War Medicine, vol.8, no.3 (1945), 137-142.将校における軽度の精神病反応を論じた論文。戦線や時期などは明記していない。診断について。Situation reaction や adult...
View Article坂口安吾「桜の森の満開の下」
坂口安吾「桜の森の満開の下」青空文庫で読んだ。坂口安吾が1947年に書いた短編だから、1946年に「堕落論」を書いて大きな反響を呼び、人気作家というよりむしろ<時の人>と言った方がふさわしいような人物になった頃である。山賊とある女の話である。山賊がかどわかして連れてきた女が我儘で残虐で変質的で、山賊のもとの女のあらかたを殺させ、そのあとで山賊とともに都に移住して、都の人を殺してその首を持ってくるよう...
View Article坂口安吾「黒谷村」
坂口安吾「黒谷村」戦前の1931年に発表された中編で、出世作の一つ。青空文庫にある。雑踏の都会で不眠症にかかった神経衰弱の若者が、大学時代の友人で山深い村の寺の住職になった男を訪ねるという舞台である。「山里は猥雑な村であった」最初の日に入った居酒屋では女中が婬をすすめ、若い農夫は穂の間から朗らかな声をかけて夜這いに誘い、ワラビを干している娘は秋波を送る。友人の住職は情婦を持ち、毎晩のように寺の境内の...
View Article松井冬子と九相図
松井冬子が美術史家の山本聡美と一緒に九相図を観るという企画を『芸術新潮』の10月号で読む。死と性と怪異を描いて今を時めく美人日本画家だから、日本の死と腐乱の絵画の古典にどう向き合うかとても興味があったが、正直言って、松井さんの発言は断片的で技術的な内容・直観的な印象論が多くて、必ずしもいい記事になっていなかった。しかし、松井さんに九相図を案内する役割の山本聡美さんという美術史家の記事や発言が、学者ら...
View Article『情報歴史学入門』
後藤真・田中正流・師茂樹『情報歴史学入門』(奈良:金壽堂、2009)アーキヴィストたちを相手に話すので、聴衆の感触を得るのにいいかなと思って、花園大学で「情報歴史学」を教える若手の教師3名が書いた教科書をさっと目を通してみた。スタンダード化を意識したプロの記述になっていて、役に立つ部分とそうでない部分があった。特に関心があったのが、データの共有性を前提にした部分である。私が史料からデータベースを作る...
View Article夢野久作「少女地獄」と優生学的血液検査
夢野久作「少女地獄」少女を主人公にした探偵小説の中編を3つ集めた『処女地獄』という作品に、血液検査による処女判定という小道具が用いられているのでチェックした。血液検査で処女を判定しようという発想が、もともとはどこの誰から出てきて夢野久作に至ったのかは調べていないが、戦前の探偵・猟奇などの世界ではきっと有名だったことと思う。私が読んだ範囲でも浅田一が得々と書いている。夢野の話では、人格者とされている県...
View Articleフランスの優生学的結婚相談
Schneider, William H., Quality and Quantity: The Quest for Biological Regeneration in Twentieth-Century France (Cambridge: Cambridge University Press,...
View Article近代中国の人種理論
Dikoetter, Frank, The Discourse of Race in Modern China (London: Hurst & Company,...
View Articleチャールズ・シンガー『解剖・生理学小史』
チャールズ・シンガー『解剖・生理学小史』西村顕治・川名悦郎訳(東京:白揚社、1983)原著はイギリスの医学史の開拓者の一人であったシンガーが1923-24年に行った講演をもとにして1927年に出版した書物である。1958年にほぼ同じものが再版されている。日本語に訳されたのが1983年だから、原著の講演から60年たっている。83年の欧米の医学史研究の事情をみると、多分その段階でこの書物はすでに「古い書...
View Articleイギリス王室と児童精神医学
Jane Ridley, Bertie: A Life of Edward VII (London: Chatto, 2012)についてのLRBの書評よりメモ後にエドワード VII...
View Article第六回アジア医学史学会
第六回アジア医学史学会プログラム 12月13-15日にわたって、慶應大学・日吉キャンパス来往舎にて、第6回のアジア医学史学会が開催されます。 日本を含めたアジア、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニアから、合計で120人ほどの研究者による研究発表が行われます。鈴木晃仁、脇村孝平、飯島渉、愼蒼健の運営委員会が今年初めから企画してきた学会です。...
View Article横溝正史『迷路荘の惨劇』と沼正三『家畜人ヤプー』
今日は無駄話。ある個人の「文体」の問題は、文学を研究している人たちはよくご承知だと思うし、もっと深く・的確に説明すると思うけれども、歴史学者もときどき資料の著者の問題を中心にして文体とはなんだろうと考える。文学研究者に較べて著者の同定は上手でないと思うけれども、その中で、一度文体研究の専門家の意見を聞いてみたいと思っているのが、沼正三の『家畜人ヤプー』である。『家畜人ヤプー』は長期にわかって覆面作家...
View ArticleAndrew Scull, Madness: A Very Short Introduction
Scull, Andrew, Madness: A Very Short Introduction (Oxford: Oxford University Press, 2011)オクスフォードの大学出版局は、スカルによるこの書物の外に、Madness という同じタイトルを持つ、本の性格としてとてもよく似たタイプの本を出している。岩波から翻訳も出ているロイ・ポーターのMadness: A Brief...
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