McConnachie, James, The Book of Love: The Story of the Kamasutra (London: Atlantic Books, 2007).
カーマ・スートラとその英訳についての一般書である。買うべきではなかったけれども、読んだのは正解である。もともとは3世紀のインドの都市の洗練富裕層の性の快楽の教導書であったものが、19世紀にヴィクトリア朝の文化に対抗する文化の中で翻訳された。インドについての記述、バートンや彼の周りの翻訳者たちについては、大いに勉強した。
カーマ・スートラとその英訳についての一般書である。買うべきではなかったけれども、読んだのは正解である。もともとは3世紀のインドの都市の洗練富裕層の性の快楽の教導書であったものが、19世紀にヴィクトリア朝の文化に対抗する文化の中で翻訳された。インドについての記述、バートンや彼の周りの翻訳者たちについては、大いに勉強した。
一番重要だったのは、バートンのヴィクトリア朝の性に対する反抗もてつだって、この古代インドの性愛のテキストにモダニズムの風貌が与えられたことである。1880年代の限定版の翻訳のあと、カーマ・スートラは一連のモダニズムの立役者たちに影響を与えた。たとえばセクソロジーのイヴァン・ブロッホ、あるいはハヴロック・エリスやウィリアム・カーペンター。そして、一番面白かった推論が、マリー・ストープスの『結婚愛』への影響の仮説である。ストープスは、性愛のマニュアルを結婚の中に位置づけた古典『結婚愛』において「本能だけでは十分でなく、技術も必要なのである」と言っているが、これこそ、カーマ・スートラの西欧の性愛のメインストリームへの応用ではないだろうかという推論である。なるほど。