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Channel: 身体・病気・医療の社会史の研究者による研究日誌
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ドイツの戦時神経症の治療

ドイツの第一次世界大戦期の戦争神経症研究についてメモ(Ben Shepard)...

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戦時神経症メモ

欧米の戦争神経症の議論と、日本のそれを大きく隔てる違いの一つは、それが公衆による議論の対象であったか否かという違いである。第一次世界大戦期のヨーロッパの交戦国において、1914年の7月に戦争がはじまって数か月のうちに、戦争神経症は公衆が注目するところとなった。イギリス軍においては、同年の12月には、フランスに設置された病院において多数の兵士が神経症的・精神的ショックの状態にあることが観察されて、新し...

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戦後アメリカの精神医学文化への戦時神経症研究の貢献

Staub, Michael, Madness Is Civilization: When the Diagnosis was Social, 1948-1980 (Chicago: University of Chicago Press,...

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日本精神医学の戦争経験と戦後のノイローゼ論

加藤正明『ノイローゼ』重要な一文を見つけたのでメモ。もともと昭和30年に「創元医学新書」の一冊として出版された書物だが、これは昭和56年の大きな改訂の時に書かれた言葉で、それまでの版には出てこない。「この本の初版が出た昭和30年からすでに26年を経過した。この期間に本書の改訂を試みることを何回か考えた。しかし、ノイローゼのテーマは、昭和13年に筆者が召集されて以来、日本の軍隊に多発した戦争ヒステリー...

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「精神医学の科学哲学―精神疾患概念の再検討―」第2回研究会

以下の研究会が開催されますのでお知らせいたします。「精神医学の科学哲学―精神疾患概念の再検討―」第2回研究会2013年2月23日(土)13時30分開始、終了時刻未定(17時頃終了見込み)東京大学駒場汽ャンパス18号館1階ホール発表者信原幸弘(東京大学)「妄想の執拗さと実存的感情」テライ・サラ(フランス・東洋学研究所)「日本の精神医学の一概念―対人恐怖を考える」鈴木晃仁(慶應義塾大学)「戦争・労災・地...

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探偵小説が似合う街

小酒井不木「科学的研究と探偵小説」『新青年』3巻3号(1922)探偵小説と医学研究の間の深い関連は、英語圏では医学の文化史の確立された主題のひとつとなって、多くの研究書がすでに世に問われている(読まなくては!)日本語でも、英文学者が作品論ベースで多くの仕事をしている。そもそも、コナン・ドイルのように、探偵小説というジャンルが形成される時期の重要な作者が、医者としての教育を受けたという特徴があり、日本...

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クレッチマーの戦争神経症論の日本への影響

クレッチュマー『ヒステリーの心理』手元にあるのは、クレッチマーが1948年に Hysterie, Reflex und Instinkt というタイトルで出版したものを、東大の吉益脩夫が1953年に『ヒステリーの心理』として訳したもの。本当に観なければならないのは、同じ吉益が1933年に『ヒステリーに就いて』として訳して出版したものである。確認していないが、これはおそらくクレッチマーが 1924年に...

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ハックスリー『素晴らしい新世界』の鞭打ちと大衆の集団オーガズム

ハックスリー『素晴らしき新世界』の末尾に、私をとても不安にさせて、胸から腹のあたりにまるで生き物がいるかのような不快感を覚える部分がある。痛みと鞭打ちの個人性と集団性について、嘔吐感を催させる、まさしくポルノグラフィックな部分だと思う。ハックスリーの『素晴らしき新世界』は、「すべてがすべてのため」という原理のもと、性と生殖と感覚が万人にむけて平等に分配されているディストピアである。そこに、性と生殖、...

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エラリー・クイーン『Yの悲劇』

エラリー・クイーン『Yの悲劇』本格推理の傑作としてタイトルを知ったのが中学生の頃だから、35年ほどタイトルだけ知っていて読まなかった本である。三分の一世紀にわたる無知を激しく恥じる内容だった。推理小説だからネタバレを警戒しますが、以下は内容に触れる部分があります。ストーリーは梅毒と優生学である。ある富裕な一家が、梅毒の水平感染と垂直感染(母子感染)に徹底的に蝕まれ、現在の家族が祖母から孫までみな梅毒...

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研究会「宗教と精神療法:その歴史的パースペクティブ」

研究会「宗教と精神療法:その歴史的パースペクティブ」 Seminar "Religion and Psychotherapies: Its Historical Perspective"場所:求道会館(〒113-0033 東京都文京区本郷6丁目20-5) Kyudo Kaikan (20-5, Hongo 6 chome, Bunkyo-ku) 3月6日時間:第1部午後1時より、第2部午後2時半より...

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ヤスパースより地震後の神経症について

この数年は20世紀の精神医療の歴史を研究しているから、そのための体制を自分の中で徐々に作っているが、その一つが、簡単なことだけれども、「ヤスパースとクレペリンの教科書を座右に引きつけてよく目を通す」ことである。どちらも、みすず書房から美しい書物で出版され、しかも西丸四方の名訳で出ている。ヤスパースについては、それに対応するドイツ語の原著まで持っている。ヤスパース『精神病理学原論』を読んでいるときに、...

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「白隠展」と富士山の日

かなり前のことになるけれども、Bunkamura ザ・ミュージアムで「白隠展」を観たときの記事を。今日は2月23日で「富士山の日」でもあることですし。...

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大門正克『日本の歴史 15 1930年代から1955年―戦争と戦後を考える』

大門正克『日本の歴史 15 1930年代から1955年―戦争と戦後を考える』(東京:小学館、2009)...

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横溝正史『獄門島』と優生学

横溝正史『獄門島』は、昭和22-23年に雑誌『宝島』に連載された探偵小説で、瀬戸内海の孤島で起きた連続殺人事件を金田一耕介が解決する人気作品である。瀬戸内海の孤島は、日本の優生学と精神医学にとって縁が深い主題である。1940年の国民優生法が制定され、精神疾患の遺伝を優生学によって食い止める法制度が作られたが、精神医学者たちの間では、精神疾患の遺伝を人口の規模で精査しなければならないという意見があった...

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東南アジア医学史学会

2014年1月に、マニラのアテネオ・デ・マニラ大学で、「第5回・東南アジア医学史学会」が開催されます。 報告を希望する方は、以下の要領で、モントリールのローレンス・モネ先生まで。 CALL FOR PAPERS 5th International Conference on The History of Medicine in Southeast Asia (HOMSEA 2014) To be...

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新着雑誌 History of Psychiatry

History of Psychiatry 2013年3月号。論文が6点に古典翻訳と書評が5点。6つの論文は、まず一つめは北ウェールズの精神病院の症例誌をもとにして、1875-1924年と1995-2005年の二つのコホートにおいて、メランコリー/重度うつ病の研究。死亡率はいずれのコホートにおいても大きな上昇がみられ、後者では自殺がその原因であるが、前者では結核が上昇の原因である(!)...

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泉鏡花『天守物語』

泉鏡花『天守物語』『天守物語』は大正6年に発表された戯曲であるが、鏡花は自作が上演されるのを観ることができず、初演は昭和26年の花柳章太郎であった。2011年に新国立劇場で公演された時に見損ねたのが口惜しい。映画化は1995年の坂東玉三郎・宮沢りえのものがある。封建時代の播州姫路の白鷺城の天守は最上階の第五重が舞台となる。季節は晩秋で、時は日没前から深更の、物悲しさから凄まじさが色濃くなる頃である。...

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井村恒郎「敗戦国の妄想狂」

井村恒郎「敗戦国の妄想狂」『現代心理』1巻7号1947:...

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泉鏡花「海神別荘」

泉鏡花「海神別荘」鏡花全集で「天守物語」と収めたのと同じ巻(二十六巻)の別の戯曲「海神別荘」が面白かったので読んでみた。「天守物語」が天守閣の最上層を舞台にした空を飛ぶ魔物と鷹の話だとしたら、「海神別荘」は、その名が示す通り、海底に住まう龍王を主人公として、そこに人間の美しい娘が嫁いでくる話である。龍王はある陸の人間の娘を見初めてこれを欲し、その父親に海中の宝を送ったばかりでなく、黒潮・赤潮の手兵を...

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皮膚科学の模型像(ムラージュ)の日本への導入

石原あえか「日本におけるムラージュ技師の系譜―ゲーテを起点とする近代日独医学交流補遺」『言語・情報・テキスト』東京大学大学院総合文化研究科・言語情報科学専攻紀要、19(2012),...

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